2025/09/19
先日、「小屋の修繕をお願いしたい」とのお問い合わせをいただき、現地を訪問しました。
現場では、軒瓦が落下し、内部の土葺きの土が雪崩のように露出していました。軒下地の木材は腐食が進み、瓦のズレも多く確認できました。一見すると簡単な補修で済みそうに見えましたが、実際にはそうはいきません。瓦のズレが雨水を呼び込み、土を湿らせ、軒先の木材を腐食させたことが原因で、さらに瓦のズレや崩落へとつながっていたと考えられます。
修繕にあたっては、軒先の瓦をめくって下地を直し、改めて軒先を葺き戻す必要がありました。さらに、上部の瓦のズレもあったため、一枚一枚を突き上げながら正しい位置へ戻していく作業を行いました。
お客様からは「簡単に処置してほしい」とのご要望をいただきましたが、原因を取り除かないと再発の恐れが高く、慎重な対応が欠かせません。実際、このようなケースでは軒部分の解体・下地修繕・瓦の再施工といった流れが適切です。
今回の事例からも分かるように、もし早めに点検を行っていれば、ここまで大掛かりな被害にはならず、もっと簡単な補修で済んでいた可能性があります。幸いにも瓦の落下によるけが人はなく、まずは安心しました。
屋根は普段なかなか目に入らない場所ですが、見えない部分で傷みが進んでいることは少なくありません。定期的な点検こそが被害の拡大を防ぐ一番の方法です。気になることがあれば、どうぞ早めにご相談ください。